トヨタMR2(SW20)
トヨタのミッドシップスポーツカー「MR2」今回はSW20(以下MR2)という2代目MR2に注目して、この車の良い所、悪い所を説明していこう。
購入をお悩みの方は是非参考にしてみて下さい。
目次
MR2(SW20)
MR2(SW20)はトヨタから発売された、旧MR2(AW10、11)の2代目として1989年~1999年まで発売され人気を博した正統ミッドシップスポーツカーだ。
2017年現在ではMR-Sを最終型とし現在では中古市場でしか見かける事の出来ない、マイナー車である。
ミッドシップ
ミッドシップとは主に車体中心部にエンジンを搭載する車の事で、代表的な車に、ポルシェ、フェラーリ、カウンタック等主にスーパーカーとして分類される車に搭載される事が多い。
国産車では他に、ホンダNSX、ホンダS660、の2車種しか採用していない。
ちなみにF1カーもミッドシップだ。
車体中心部にエンジンがある為、重量バランスが良く運動性能が非常に高くなりますが、その構造ゆえに乗車定員が著しく減少する為一部の車種にしかこの構造は採用されませんでした。
今もなおF1カーがミッドシップなのは、まさに速く走る為だけにこの構造が開発されたと言っても過言ではないでしょう。
エンジン
直列4気筒2000cc「3S-GTE」225PS(1・2型)245PS(3・4・5型)
直列4気筒2000cc「3S-GE」MT/AT165PS(1・2型)MT180PS・AT170PS(3・4・5型)の2タイプがあります。
「3S-GTE」はターボで、「3S-GE」はノンターボ(NA)となります。
なお1・2型と3・4・5型とでは馬力の違いもあるので購入の際は3・4・5型をおススメします。
駆動方式
駆動方式はMRのみで、4WDなどは存在しません。
そもそもMRの構造上4WDにすることはコスト的にありえないしメリットもほぼ無いです。
乗車定員
乗車定員はMRの宿命の2人乗りです。
後ろに座席も無く、車内に荷物を載せるスペースも全くないまさに速く走る為だけの車です。
申し訳程度にエンジン後ろにトランクがありそこが唯一の収納スペースです。
スペアタイヤはボンネットの中に搭載されてます。
余談ですが、MR2が発売されたこの頃は助手席も潔く取っ払った「1シーター仕様」が流行っていました。
全長・全幅・全高・車重
全長:4170mm
全幅:1695mm
全高:1235mm~1240mm(1240mmは1型のみ)
車重:1210kg(NA)~1270kg(ターボ)
かなりの軽量コンパクトボディで、本気で軽量化すれば車重1トン未満を実現できる。
しかしミッドシップ独特のフィーリングにより軽量化し過ぎると、かなりピーキーな特性となり運転技術が未熟だと操縦不能に陥りやすい車に仕上がってしまいます。
逆にその特性を使いこなし完璧に操縦する事が出来れば○○最速等を名乗れます。
ナンバーは5ナンバーの1種類のみです。
MR2の良い所
大体基礎知識としてはこれ位でしょうか?
それでは、トヨタMR2(sw20)の良い所を説明していきます。
独特の・・・
今の車では見る事の出来ないこの独特のフォルムが否が応でも皆からの注目を集めてしまいます。
現在では珍しい「リトラクタブルヘッドライト」や、車なのに2人しか乗れないという潔さ、国産では3車種でしか採用されていないMR等々、あなたの優越感を必ずや満たしてくれるでしょう。
不人気車・・・
MR2は車としての利便性に著しく欠けているが故に不人気車です。
しかし右を向いてもプ○ウス、左を向いてもプリ○ス、たまにア○ア・・・自分の車もプリウ○・・・車好きの貴方はこんな状況耐えれますか?
そう!このMR2は不人気車故に他の人とほぼ被りません!!
独自の個性を貫きたいあなたにはまさにうってつけの1台になる事を約束します。
お値段が・・・
前項でも触れた通り人気の無いMR2ですが、人気がないからこそ安く買える!!
今では新車として購入する事は不可能ですが、中古相場は30万円程。
上を見れば200万とかありますが30万前後で正統スポーツカーが買えると考えると非常に安いです。
MRならではの・・・
MR2は何といってもスポーツカー!!
走る・曲がる・事に関しては今の車にも引けを取りません。
ターボの暴力的な加速もMRという構造のお陰でトラクションを逃がすことなく地面に伝え、限界ギリギリでのコーナリングでもFF、FRの更に上の次元で曲がる事が出来ます。
この車に乗れば「○○豆腐店」や「○○ミッドナイト」みたいな○○最速を名乗る日も遠くはないでしょう。
運転技術が・・・
MR2はその独特のコーナリング性能から「運転者を育てる車」として昔から注目されています。
MR独特の操作感覚は普通のFF、FR車を操作するより車の挙動をダイレクトに感じやすく、直感的に車を操作することになります。
車の挙動がダイレクトに感じれると言う事は、思わずタイヤが滑ってしまった時や、オーバースピードでコーナーに侵入してしまった時等、いち早く危機的状況を把握し回避行動に移れるということです。
したがって運転技術の未熟な人でも、この車に長く乗り続ければ必ず運転が上手くなります。
爽快感・・・
爽快感、スポーツカーを買うならこの1点に尽きる。
あえてこの車の事を購入・検討されている方はかなりの車好きだと思います。しかもドレスアップ方面ではなく、走り屋方面の・・・
そんな方たちが求めるのはスピードを出して気持ちがいいか気持ちが良くないか・・・
MR2はそんな走り屋気質の方たちに大満足頂ける爽快感を持っています。
自分のすぐ後ろから聞こえてくるエンジンサウンド、安定した加速感、踏めば何かに押されているかのように加速していく応答性等、何をとっても1級品です。
車に求めるのは走りだ!そんなあなたの欲望を余すことなく叶えてくれる車・・・それがMR2です。
MR2(SW20)の悪い所
如何でしたか?MR2は良い所が沢山あって非常に良い車ですね。
しかしメリットがあればデメリットもあるのが世の常・・・
では次はMR2の悪い所を説明していきます。
車なのに・・・
これはMR2を買う上で避けては通れないデメリットでしょう。
車なのに乗車定員が2人。
車を買えばみんなでワイワイとドライブに行ったり、みんなで車の中で車中泊と楽しい想像をするものです。
しかし、このMR2はそれが出来ません。
2シーターなので運転手以外にあと1人しか乗れませんし、運転に疲れてシートを倒してもほとんど倒れずゆっくり休憩することも出来ません。
荷物が・・・
車で出かけてると思わぬ物を買ってしまったりする事がありますよね?
MR2はそんなオーナーの衝動買いにも厳しいです。
普通の車なら難なく積める荷物も、MR2では積めない可能性があります。
走りの為だけに特化した為極端に狭いトランクスペースは荷物の大きさを選びますし、助手席に載せれる量も限られています。
28インチのテレビすら積み込む事が出来ないかもしれません。
限界を超えると・・・
普通のFF・FRに比べて非常に運動性能の高いMR2。
しかしひとたび車の限界を超えてしまえば、非常にピーキーで容易にコントロール不能領域に運転手を誘います。
一度スピンモードに陥ればMRが故に独楽の様に回り、恐ろしい横Gを経験することになるでしょう。
車内が・・・
エンジンが座席の後ろ辺りにあるMR2。
普通のセダンやスポーツカーに比べて車内はかなりの騒音です。
一応メーカー的にも社内にエンジン音が響かない様に設計しているみたいですが、やっぱり座席の後ろにエンジンがある為、回転数が上がれば上がるほど助手席の人との会話が困難になります。
ラジエターが・・・
MRの構造上冷却水を通すホースが長いです。
これは冷却水を交換したりするときに非常に厄介です。
冷却水を抜く作業は難なく終わりますが、冷却水を入れてからが試練です。
エア抜きに1時間以上かかります・・・このエア抜きを疎かにすると、冷却効果が減少し、ラジエターの破損・果てはエンジンの焼き付きまで起こり得るので注意が必要です。
整備性が・・・
愛車を可愛がれば可愛がるほど自分で車を改造したくなるのが車好き。
しかしこのMR2何をいじるのも大変、そう整備性が非常に悪いんです。
エンジンのどこかをいじろうとしても手が入らず結局エンジンを下ろさないと出来ない、そんな大変な作業が出来ないからショップに持って行っても割り増し料金・・・
コスパはそれ程良くないかと・・・
まとめ
色々なメリット&デメリットを見てきましたが如何だったでしょうか?
感じ方は人それぞれで今回説明したことが全てではないと思いますが、今回のMR2(SW20)は
星★★★★☆☆☆☆☆☆
私的にはやっぱり「2シーター」が痛いですかね。
お金があってセカンドカーとしては有りだとは思うのですが、メインで乗る車と考えると、貨物スペースがほぼ無い、2人しか乗れないはキツイです。
車が好きで、「サーキットを走ってみたい!」「人数なんか乗れなくていい」「スピード命!!」て方の入門用?練習用??としては非常に優秀だと思うのでこの様な評価となりました。
この記事が少しでもあなたの車選びの参考になれば幸いです。
注:公道を走る時は、速度、標識、信号を守り、他の人に迷惑を掛けない運転を心がけましょう。